おかえり
「アロヤ、イルネすまなかった。ありがとう」
ナオトが2人に礼を告げた
「ふう、まさか本当に喋る熊がいたとはな」
「驚いたぜ。しかもライオンまでいやがった。アイツも話ができたぞ」
ハミルが神妙な面持ちを浮かべる
「みんなありがとう。あの、医者の・・」
「俺はイルネだ、よろしくなハミル」
「うん、よろしく。トシミはどうだった」
「とりあえず傷口の手当てはしたから大丈夫だろう」
「すまないすまない」
ナオトは安堵の表情を浮かべて満足感を醸し出していた
「でも無事帰ってこれてよかったな。ハミル」
「ナオト」
1人厳しい表情を浮かべる男がいた
「おい、熊」
ハミルがアロヤの方を振り向く
「うん」
「なぜライオンが血まみれになった」
「俺がやったんだ。檻の中で俺たちは・・やらなければ俺達は撃たれていたかもしれない。トシミは優しい奴だった。俺に攻撃するように指示した。俺は仕方なく彼を・・」
「てめぇ馬鹿野郎。それであのライオンを紅く染めたのか」
「しょうがなかった・・」
「てめえ!」
イルネが左手で怒る男を制御した
「おい、アロヤ」
「おい、アロヤ!ハミルを責めるなよ!俺が悪いんだ。俺がお前たちを巻き込んで、ハミルも助けられなくて・・」
ナオトが堪らなくなって口を挟む
「そういうこと言ってんじゃねえ!熊の性格が気に入らねえんだ!やれって言われてやりましただと!」
ハミルの頭が垂れる
「だって」
「だってじゃねえ!なぜお前は自分がやられる方にならなかった」
「だってトシミが!やれって」
「情けねえ!!チンポコついてんのかこの野郎!男なら」
やられるほうをえらべ
よわむし!
・・・・
ハミルごめんね
ばあちゃんが厳しく育ててあげなかったから、甘やかしてすまないすまない
これからは男の人に育ててもらいなさい
いつでもお山の上からみてるよ
ほんとうの男の仔になれたなら
ばあちゃんが降らしてあげるよ
エメラルドの狂乱雨を