ハミルCLASS

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馬花 138 ただいま 2年9組

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呼んでる

誰かが

私を呼んでる

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レディニルツ

エメラルド山か

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晦日

行ったきり

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僕らは締詣

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俺も行く

長男だし

サンダルも落としたんだろう

 


行こう

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待ってて

誰か


・・・・

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行くぞ!

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あれか

イルネ


ああ

熊だな

ん?なんか赤いのがいるぞ

 

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注意深く進むアロヤとイルネ

ハミルが気付いて顔を少し上げる

"やられる"

人が注意深く進む

獣は警戒心よりも半ば放棄した様な面持ちだった

最期の時か、足音がカウントダウンのように聞こえた


「おい、熊」

アロヤが話しかけるが応じない

「ナオトの使いで来た」

その名前を聞いてハッと瞼を見開く熊

脳が思考するよりも早く

「ナオトは無事か!」

「ああ、そうだ。足をやられたがコイツが処置したから大丈夫だ」

「そうか、よかった」

「お前を助けに来た」

「・・・・」

「そのライオンはなんだ」

「トシミだ。俺が彼を傷つけてしまった」

「わかった。話は後で聞く。開けてやる。安全か?」

「俺たちは何もしない」


アロヤが針金やバタフライナイフを取り出し作業を始めた

錠を細やかにイジる


「おい、アロヤ。何やってる。簡単には開かないぞ」

「任せとけ」


ハミルがトシミに近づいて立て髪を撫でていた

イルネは応急箱を取り出し軟膏と包帯を用意した

5分程経過した


「開いたぞ」


「待て!」

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「何してる!」

銃を構えるラララ

あまりにも早くアロヤがナイフを投げつけた

躱すラララ

投刀の勢いを利用して走り出しラララの腹に飛びつき押し倒す

銃を奪い形勢が裏返る


「わかった、降参だ」

「大人しくしろ、殺すぞ」

「何もしない。お前たちの好きにしろ」

「あの熊を連れてく」

「わかった」

「ライオンもだ」

「それは・・わかった。トシミが応じればな」

「ん?」

「俺たちもトシミもここからは逃がれられない」

「何?」


イルネがトシミの処置を終えた

「すまない、医者」

「ああ、行くぞ」

「俺は行かない」

「なに?」

「俺はサバンナで縄張り争いに負けたライオンだった。瀕死の俺を救ったのがHPHPだ。今はこんな風になったが昔は良い組織だったんだ。監督が二代目の息子に変わってから・・」

「わかった、喋るな」


アロヤとラララが睨み合う

「俺たちは親のいないガキだった。いや、生まれてすぐ捨てられた連中だ。此処はそういう人間を引き取って育てていた。いわば俺たちの家なんだ。あのライオンも此処に救われた。あの馬花息子が宝探しなんて言い出さなきゃ」

「宝?」

「あゝ、この山には財宝がある」

「本当か」

「知らねえ。あの馬花息子がそう思い込んでる。夢で見たってよ」

「夢?馬花なのか?」

「その通りだ。ただ、アイツには不思議な力があることも事実だ。俺たちも図りかねてる」

「・・・熊を出せ」

「えっ」


ラララを自由にさせないために、背中に銃を突き立て歩かせる

扉を開かせて、ハミルを救出した


「銃はもらってくぞ。イルネ、行くぞ!熊、こい!」


アロヤの後ろに人と熊。アロヤが銃を構えながら後退りする。充分な距離を確保してから、3つの生命体が走り出した


・・・・

 

 

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おかえり