なあ,ワタル
あゝ,ハミル
ハミル「ワタルは強いよな」
ワタル「特殊部隊グリーンベレーにいたからな」
ハミル「戦争か」
ワタル「ベトナムだ」
ハミル「どんな戦争だ」
ワタル「社会主義の北ベトナムと資本主義の南ベトナムの内戦だ,北についたソビエトと南についたアメリカの代理戦争でもある」
ハミル「どっちが勝った」
ワタル「北ベトナムだ,アメリカは負けたんだ」
ハミル「どうだった」
ワタル「この世の終わりだ,戦い以外にも虐待や拷問,地獄の光景を何度も見てきた」
ハミル「ワタルもやられたのか」
ワタル「受けた拷問は今でも忘れられない,突然叫びたくなるんだ」
ハミル「つらいな」
ワタル「枯葉剤,かれはざい」
ハミル「枯葉剤?」
ワタル「あゝ,ベトナム戦争で使用された除草剤だ,化学兵器として使用された,猛毒ダイオキシンを含んでいる。
約300万人が被害を受けた」
ハミル「どんな被害が出たんだ」
ワタル「今でも影響を受けている人はたくさんいる,2世,3世。奇形,発癌,精神障害,他にも多くの障害に苦しんでいる人々がいる」
ハミル「もうやめてくれ・・・」
ワタル「戦争が終わったあとも問題だ,俺たち帰還兵は,国の指示で命を賭けて戦った,だが帰ってきたら,ケダモノでも見るようだ」
ハミル「もうやめてくれよ・・・・・」
ワタル「そりゃ,俺たちは殺したさ,でもそれが戦争だからだ,殺すために強くなる,国も国の人々も勝利を願う,実行するのは俺たちだ,お前たちは,殺す俺たちを遠い場所から殺せ殺せと願っている!お前たちも間接的に殺している!!帰ってきたら自分たちは聖人みたいな顔しやがって!!!人にやらせておいて,野蛮人みたいに扱いやがって!、!!俺からしたら,人に命の奪いあいをさせておいて,遠くからエアコンの効いた部屋でうまいコーヒー飲みながら戦況はどうだって鼻クソほじりながら言ってるお前らのほうがよっぽど野蛮だぜ!!!!!
ハミル「鼻クソ野郎・・・」
ワタル「あゝ,そうだ,鼻クソ野郎!!!」
ワタル「戦争を決定する奴は自分が戦線に立たない奴・・・」