
女トラックドライバー
パンク

テールランプの橙色が暖かく灯っています
ブレーキランプが前方から段々と発光して暗闇を小パレードのよう、眩く色めき立たせました
不図、脳裏を過ぎります
私は何をしているのだろうか
長距離ドライバーの仕事が好きです
何より運転が好きなのです
しかしこの、一人の時間と空間が、時に私の心の膜をつ突いて不安が心を曇らせます。と、
フロントガラスに水蒸気が立ち昇り私の心を映すミラーであるかように曇りました
道行く車より、雲に近い私の運転席は遥か彼方の車車の放光が目視できます
ラヂオからThe OffspringのWhy Don't You Get A Jobが流れます
助手席には数枚のCDが散乱しています
自然と唇が開いて、いつしか口が裂けるほどに大声を張り上げました
曲が終わり息が弾みます
叫びたくなるのです
決まってPUNKを好みます
遣り場のない感情を曝け出す
此処、中型トラックの運転席が私のステージなのでした

うしかい座のアークトゥルスが車のランプを現実に追いやり、銀河の方で光っています
和名で「熊の番人」と呼ばれるこの一等星は"おおぐま座"の後方に位置して、アイツをいつでも見張っています


パツンです

東京でハンドモデルの仕事をしていた私は、事務所の人間の斡旋を受けて化粧品会社へ転職をした
百貨店で販売員として売場に立ちお客様を接遇する
週に一度はオフィスに出社して、業務報告や販売管理など事務的な仕事を熟すが、午後からは製品開発プロジェクトに加わることが叶った
大阪の地を踏むことは苦渋の決断だった
東京生まれ東京育ちの私にとって大阪の笑そうな奴とだいたい友達になれるのだろうか
事務所の人間は、今はそんな時代ではないと言って、つまり令和では関西人は関東人に対して、そう特別な感情は抱いていないということであった
その微かな心ゆるびの言葉を頼りにして、大阪は天王寺の地を踏むことを決意した
大阪への居住が始まって2日目の11月2日。
上りエスカレーターの左側で立ち尽くしていた私を、突き飛ばすように強引に左側を切り裂いた男以外、この府は温かく私を迎え入れてくれている
特に、
家の近くの小さな理髪店が私の安らぎの場所になった

男子の心が処の地で少し染み込みました
休日には天王寺動物園に赴き、彼を見つめます
しし座の2等星デネボラには「獅子の心臓」と別名がありました
あの子は元気でしょうか
私も勇敢なGIRLになることは、できるのでしょうか

サインチークの企画書をこの手に会議室へ向かいます
・・・・

男くん

女ちゃん

ワイン飲む?

うん

ワインブラジャー

作ったの?

うん、会社

下着ベンチャー

ブラ言葉は


・・・・

・・・・

家業を継いで
旅館の女将にはならない
ルミ
ミル
ふたご座は見えていますか
東京で即席麺メーカーで働く姉のルミ
静岡で食品卸で働く妹のミル
幼い2人がみた双子座と砂の波
ルミ東京の空でもαポルックスは見えていますか
〜
戦で矢を射られて命を失った兄カストル
不死の弟ポルックスは大神ゼウスに頼みました
カストルと私は一緒に生まれました
朽ちる時も同じなのです
どうか、私に死を与えてください
〜

ルミ
あなたの身が東京でどんな艱難に曝されようとも
ミル

久しぶりに舘山寺の温泉に浸かっています

バスタブではなくて、